宇宙は、古代より人類の興味を引き付けてきました。そして、宇宙の現象を考えることが、物理学をはじめ自然科学の発展につながってきたことも事実です。そして、こうしたことは現代でも同じです。現代の最先端技術により、宇宙観測は飛躍的な発展を遂げています。そして、地球上では到底実現できないようなさまざまな環境が宇宙では実現されていることがわかってきました。ブラックホールや中性子星、ガンマ線バースト、超新星残骸、銀河団衝突合体などは、そうした極限宇宙現象に満ち溢れた現場であり、世界中の研究者がこぞって取り組んでいます。また、最近では重力波や高エネルギーニュートリノの検出が始まりましたが、これらも極限宇宙現象に伴って発生するものです。こうした現象は、特にX線ガンマ線で観測することによって理解されますが、同時に可視赤外線でも観測することにより、別の側面から観測することも現象理解のためには重要です。さらに、そうした現象を理論的に研究して、定式化することも必要となります。一方、宇宙の進化の飛躍的研究により、宇宙は暗黒エネルギーや暗黒物質といった得体の知れないもので満たされていることもわかってきました。それらの理解のためには、さらには宇宙誕生に迫るには、最新の素粒子原子核分野の研究が非常に密接に関係していることもわかってきました。
広島大学では、こうした極限宇宙分野に対して、主に5つの研究グループが、さまざまなアプローチによって研究を行っています。本拠点は、そうしたグループがさらに強く連携することによって、広島大学としての研究グループの諸活動が全世界に知ってもらい、さまざまな国際共同研究に発展することを目的として、広島大学として認知されて、2014年度に拠点発足となりました。そして、他分野との融合も図れればと考えています。さらに、国内外の学生に広く当拠点の活動を知ってもらい、多くの学生が当グループで優れた研究することを願っています。
極限宇宙研究拠点CORE-U拠点長 深沢泰司