Date: 07/Dec./2020 (Mon.)14:35-16:05
Place: ZOOMでのオンライン配信
Speaker: 谷本 盛光 氏 (新潟大学名誉教授)
Morimitsu Tanimoto (Prof. emeritus, Niigata Univ.)
Title: 素粒子の世代を対称性で探る
Origin of generation and flavor symmetry of quarks and leptons
Abstract
素粒子の標準モデルでは、クォークとレプトンは世代(または家族)という概念で分類されるが、その起源の理解には至っていない。ミュー粒子やタウ粒子は電子と同じ物理的性質を持ちながら、質量のみが大きく異なっているように見える。なぜミュー粒子が存在するのかという問いに答えるためには、世代の起源を明らかにす
る必要がある。クォークにはカラー(色)という物理量があり、それがクォークの力学(量子色力学)を支配している。それに対応してフレーバー(香り)という物理量が世代の力学を決めると期待されているが、その実体は不明である。力学に手が届かない段階では、一様性や対称性でアプローチするという物理学の知恵がフレーバー対称性を生み出した。このアプローチはニュートリノ振動によるレプトンの大きな世代混合の発見によって加速された。最近、そのフレーバーの対称性が高次元理論、とりわけ超ひも理論からくる可能性が指摘され、それに基づいたクォークとレプトンのフレーバー物理が展開されている。フレーバー問題を概括しながら、
モジュラー対称性と呼ばれるこの新しいアプローチの現状と展望を述べたい。
注意 :オンライン配信の詳細は担当者まで問い合わせください。
広島大学極限宇宙研究拠点(Core-U)
セミナー 世話人 山口頼人、水野恒史、両角卓也
担当者 両角卓也: morozumi(at)Hiroshima-u.ac.jp